山田辰のつなぎが活躍する現場を追う『GREAT WORKERS』。第5回目は、故障や事故に遭遇した車両の救出を行うレッカー会社。北海道の小さな町で、大きなプライドを持って働く男たちに会いにいきました。

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雨があがり、大空に晴れ間が広がる。巨大なレッカー車が鎮座する整備工場で、つなぎを着た整備士たちが黙々と仕事を続ける。ここは北海道の網走郡美幌町にある『株式会社勝本車輌(以下、勝本車輌)』。自動車の整備と、レッカーをおこなう会社だ。レッカーは事故、バッテリー上がり、スリップによる路肩脱落など、思いがけず自走不能となった車体を救出する。出動先は、壮絶な事故現場や、大雨、猛吹雪のなかでの牽引作業など、一筋縄にはいかない現場も少なくない。勝本車輌は、地元での信頼も厚く「勝本に引き揚げられないものはない」といわれる車体牽引のプロ集団。そんな彼らに会うために北海道へ渡った。

1990年に設立された勝本車輌。創業者である会長の勝本義則さんが、バス会社での整備士経験を生かし、整備工場として開業した。現在は、自動車整備を業務の主軸としつつ、出動要請に応じてレッカー対応を行うというスタイルをとっている。自動車整備にとどまらず、レッカー事業をはじめたきっかけを勝本会長へ聞いてみた。「整備の仕事を続けるうちに、工場へ運ばれる自動車を手当てするだけでなく、より緊急度の高い場面にも対応したい、という気持ちが強まったんです。今は、自動車整備が『通常診療』、レッカーが『救命救急』というイメージでやっています。整備もレッカーも、困っている人がいれば、全力で手を差し伸べる、という気持ちでやっているんですよ」。

勝本車輌は、今やレッカー会社としての信頼も厚い。本社がある美幌町から300kmほど離れた札幌で事件が起こった際には、警察から直々に出動要請を受けた。現場へ駆けつける様子がテレビ放送されたこともあったそうだ。大きな信頼を得るために必要なことは"誠実に向き合う姿勢"だと勝本会長は言う。「出動先の多くは事故現場です。大きく損傷した車体を引き揚げることもあります。それでも、車体に負担をかけないよう、短時間で、少しでもいい状態で救出するということを意識しています。どんな状況下でも、誠実に仕事を遂げるのは、お客様に対するマナーだと思ってます」。さらに、"いい仕事にはいい道具を"と、日本に数台しかないというメルセデス・ベンツ社製の高級レッカー車を導入するなど、仕事道具への投資も惜しまない。「やっぱりいい仕事をして、お客さんを喜ばせたいんですよね。最高の機械と最高の技術、そして強いプライドを持って、お客様に満足していただく。そういう気持ちで仕事をしています」。

勝本車輌では、整備やレッカー出動時にAUTO-BIつなぎを着用する。整備場へ足を運ぶと、つなぎに身を包んだ整備士たちが、車体下へ潜り込んだり、トラックによじ登りながら、整備を進めている。軽やかな身のこなしと、鮮やかな手さばきが印象的だ。

「整備作業って、全身を動かすんですよ。なので動きやすい作業着でないと困るんです」。そう語るのは、この道30年の勝本久人社長。「これまで色んな作業服を着てきました。その中でもAUTO-BIのつなぎは、とにかく頑丈。長く着られますね。あとね、腰や膝のあたりに特殊な加工が施されていて、曲げ伸ばしがとてもしやすくて助かっています」。勝本車輌ではつなぎの改良にも積極的で、これまでに、溶接作業時の安全性を考慮したファスナーカバーの追加や、袖口の留め具をボタンに変更するなど、自分たちにあったAUTO-BIつなぎへと進化させている。

また、取引のあるお客様へのお歳暮品として、AUTO-BIのつなぎを配っているというから驚きだ。「一家庭につき一着程度お贈りしているのですが、農家のお客様からは、追加でもう一着もらえないか聞かれることもあります(笑)」。

プライベートでもよくつなぎを着るという、若手整備士の加藤さん。整備場に送られてくる車の解体や点検、修理が主な仕事だ。「入社当時は、正直なところ、車が好きというだけで、なんとなく始めた仕事でした。でも入社2年たった今、新しい技術をどんどん身につけるなかで、整備という仕事にとてもやりがいを感じるようになりました」。

加藤さんにつなぎのどんなところが気に入っているのかを聞いてみると「何度洗ってもくたびれない頑丈さがいいすね。プライベートでも着るときがありますが、冬も暖かいので助かってます」とのこと。そんな加藤さんのこれからの目標は「もっと努力して、尊敬する先輩に追いつくことっすね。そしていずれは追い越す。自分がいつか先輩の立場に立つとき、後輩に正しい知識を伝えてられるようになりたいっす」。

8年前に入社した志田さんは、長年、整備の仕事を続けるベテラン整備士。後輩の加藤さん曰く、その知識の量はもはや"博士"とのこと。志田さんは、整備の仕事を行いながら要請に応じて、レッカーで現場へ出動する業務も担当する。「レッカーの仕事は普通の整備工場の仕事と違ってやることが多岐に渡ります。だから自分を磨けるかなと思って始めました」。

自然に恵まれた北海道だからこその苦労も多い。「猛吹雪の中、動けなくなった旅行者のレンタカーを救助したり、氾濫した川の近くで腰まで水に浸かりながら車両を引き揚げたりね。命の危険を感じるような現場も少なからずあります」。着ているAUTO-BIつなぎについては「肘と膝とか伸びるのがいいですね。救助の時は無理な姿勢を取ることもあるんですが、動きやすいです」。

危険な現場で働くことも多いようだが、仕事へのモチベーションはどうやって保っているのだろうか。「少しも前方が見えない吹雪の夜なんかはさすがに勘弁してほしいと思うこともありますが、現場で不安そうにしてるお客様の顔を見ると、早くどうにかしてあげなきゃと、気が引き締まります。無事に救助できて、ほっと安心した表情を見れたときには、やりがいを感じるんですよね」。誰かを守ることに使命を感じ、懸命に働く男たちの笑顔は、雨上がりの青空みたいに輝いていた。

POINT
  • マジックテープだった袖はボタンに変更されました。使っていくうちに粘着力が弱くなるという心配もありません。

  • 同時に何着ものつなぎを洗濯する現場では、どれが誰のものかわからなくなります。名前や所属が記載できるネームタグは便利アイテム。

  • 火の粉が飛んできても穴が開きにくい耐久性はAUTO-BIつなぎのウリのひとつ。危険を伴う現場仕事でも身を守ってくれて安心とのこと。

  • どんな現場でも必ず出てくるポイントのひとつが動きやすさ。車の下に潜るときも、ストレッチがきいてスムーズに動くことが可能。

FIN.

取材協力

株式会社勝本車輌

住所北海道網走郡美幌町字美禽328-4

電話0152-73-4816

協力代理店 株式会社サンユニフォーム

住所北海道北見市大通東6丁目

電話0157-61-1561

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